社会的インパクト評価は、社会的企業や社会的投資の文脈で発展したプログラム評価の手法の一類型として捉えられる。社会的インパクト評価は、これまでのプログラム評価等の取り組みにおいて蓄積された知見を、非営利組織による社会的事業や、企業活動や事業投資に対して適用し、その社会的影響に対する評価の手法として活用しようとするものであるが、その定義やプログラム評価との関連性について十分な整理がされてこなかった。社会的インパクト評価がその主たる評価の対象とする社会的企業や社会的投資は近年大きく拡大しており、今後の評価実践の中で大きな部分となることが想定される。本稿では、これらの社会的インパクト評価の取り組みがどのように形成されたのか、プログラム評価を中心とした評価研究のなかで、どのように位置付けられるのか、関連する事象を整理したうえで、これらの評価の実践と理論的発展が、評価研究にどのように貢献しうるのかについて考察する。
1. はじめに
2. 社会的インパクト評価の概念の背景と発祥
3. 社会的インパクト評価枠組みの事例
4. 社会的インパクト評価の手法的特色と、評価実践に対する貢献
5. 社会的インパクト評価とプログラム評価の整合性と課題
6. 社会的インパクト評価が市場と経済システムにもたらす変革の可能性と課題
7. おわりに ―社会的インパクト評価が評価研究にもたらす貢献
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