SIBを用いたスキームでは、まず社会課題解決のための事業に対して、関心のある投資家が資金提供を行い、その資金を元に事業を実施します。
事業を実施する事業者は、「革新的で実験的な新しいアイディアのある企業や非営利組織」を行政・中間支援組織が選定します。
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01. 事業計画・実行フェーズ
~SIBにおいては、革新的で実験的な事業を実施する事業者に対して、民間資金を導入しての事業実施を行います~
選定された事業者(企業や非営利組織)は、事業を実施。受益者に対して社会課題解決のためのサービスを提供します。
その事業実施にあたり、第三者評価機関として、「事業評価者」がインパクト評価を実施、事業の成果を評価します。
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02. 事業評価者によるインパクト評価(事業実施中〜事業終了後)
~事業の実施中から終了後に、事業評価者による成果モニタリングを実施します~
政府は、そのインパクト評価の結果に基づき、当該事業が成功したか(期待する社会的な成果をを上回ったか)否かを判断。
成功と判断した場合のみ、事前に合意した契約内容に基づき、事業実施コストに投資家のリターンを加味した金額を投資家に償還します。
この時、事前に合意した目標に到達しなかった場合、投資家への償還は発生せず、事業は終了となります。
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03. 行政による投資資金の償還(インパクト評価終了後)
~最終的に成果が上がれば、行政が投資家に償還します~
SIB事業の投資家への償還について
事業評価者の評価によってSIB事業が成功したと判断された場合、事前に契約で合意された水準での行政から投資家への償還が行われます。
SIB事業が成功しなかった場合(事業成果が合意された目標水準に未達の場合)は投資家への償還は行われません。
SIB事業の各ステークホルダーのメリット
各ステークホルダーがSIBに参画するメリットは以下のようなものがあります。
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行政
- 成果連動型支払契約のため、事業目標の達成・未達成が適正に評価される。これにより成果の高い事業を継続し、成果があがらない事業を改善するなど、質の高い行政サービスを実施できる
- 行政予算の投資対効果を改善できる可能性がある
- 高い成果を掲げる可能性がある革新的な事業を、事業実施のリスクを資金提供者が追うことで、行政のリスクを軽減しながら実証実験を実施できる。
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市民
- 質の高い行政サービスを受けることが出来る
- 事業が成功し、政府から投資家にリターンの償還が行われるまで、事業実施資金は民間(資金提供者)が負担するため、革新的な事業の実証を行える
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資金提供者
- 事業が目標を達成した場合、投資リターンを受けることが出来る
- 「社会的インパクト」を重要視した投資(社会的インパクト投資)に参加できる
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事業者
(企業や非営利団体)
- 社会的インパクトが高い革新的な事業を実施することが出来る