特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパン(代表理事 伊藤 健)は、株式会社日本政策投資銀行(代表取締役社長 渡辺 一)、一般財団法人社会変革推進財団(理事長 大野 修一)と共催し、成果連動型契約やソーシャル・インパクト・ボンドの組成に取り組む財団、中間支援組織、企業や金融機関、行政等の多様な関係者が参画する「成果連動型契約(PFS)/ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)に関する研究会」を開催いたします。本研究会には、株式会社三井住友銀行(頭取CEO 髙島 誠)が特別協賛、Asian Venture Philanthropy Network(CEO Naina Subberwal Batra)が協力します。
本研究会は2020年度から引き続いて開催するもので、2020年度には内閣府・経済産業省・厚生労働省・法務省の中央省庁、13の自治体、7社の金融機関を含む56社・団体が委員・オブザーバーとして参加しました。今年度は2022年1月~2月に渡り、合計3回にわたって成果連動型契約やソーシャル・インパクト・ボンドによる社会課題解決の取組について、課題と今後の取組の方向性を中心に議論を行います。
同時に、独立行政法人国際交流基金日米センターの助成により、米国における成果連動型契約について、成果連動型契約に対して100百万ドルの交付金事業を実施する米国財務省(交渉中)、成果連動型契約の中間支援組織であるSocial Finance US(本部ボストン)、ニューヨークにおける再犯防止のSIBの事業者であるCenter for Employment Opportunities(本部ニューヨーク)、教育や司法等の分野でのSIBの第三者評価者としての多数の実績を持つWestEd(本部サンフランシスコ)、のそれぞれとオンラインによる交流事業を実施します。
福祉や再犯防止、地方創生等に関わる行政サービスの民間への委託を、事業の成果に基づいた対価の支払い契約に基づき、民間の革新的事業モデルや資金を活用して効果的に実施し、社会課題の解決を促進する成果連動型契約(Pay for Success, PFS)は、2010年の英国でのソーシャル・インパクト・ボンドの導入をきっかけに、世界各国での導入が推進されています。2021年時点では世界で200件を超え、委託金額にして431百万ドル以上の実績があります。
日本においても、特に少子高齢化による社会的資源の逼迫から、限られた予算を活用して最大限の社会的成果の達成に対する要請があり、2017年に神戸市、八王子市において取り組まれたことを皮切りに、2020年度末時点で全国で76件以上の案件が実施されています。また、内閣府においても、2019年度にPFSやSIBを推進する成果連動型事業推進室が設置され、省庁横断での推進が行われています。
今回の研究会では、昨年に引き続き、こうした成果連動型契約の実施、および民間資金の活用が、どのような条件下で社会課題の加速度的解決をもたらすのかについて、米国を含めた海外状況との対比を交えて、関係者による議論を行います。
本事業は、PFSやSIBにおいて、組成や資金提供に多くの実績を有する、株式会社日本政策投資銀行及び一般財団法人社会変革推進財団との共催にて実施します。また、特別協賛として、「SMBCグループ サステナビリティ宣言」の下、環境・社会課題の解決やSIBに積極的に取り組んでいる株式会社三井住友銀行が参画しています。こうしてPFSやSIBに関与する関係者が一堂に会することにより、ステークホルダーのネットワーク形成にも寄与することを目指します
【開催日程】
2022年1月20日(木)15時~17時:第1回研究会「日本のPFS/SIBの進捗と課題」
2022年2月16日(水)9時~11時:第2回研究会「PFS/SIBの事業領域と評価のフロンティア」
議題1:PFSの新しい領域
議題2:PFS/SIB評価のフロンティア
2022年2月22日(火)9時~11時:第3回研究会「PFS/SIBのスケールアウトの可能性」
議題3:PFS/SIBのスケールアウト
各府省、自治体等から2022年度の事業計画について共有
米国における成果連動型契約:オンラインワークショップ
登壇者 Rashmi Khare, Vice President, Impact Investments, Social Finance
Storey Dyer Kloman, Associate Director, Social Finance
Prevention Research CenterWestEd
Dr. Patricia Campie, Principal Researcher, American Institutes for
Research (AIR)
【運営】
主催・事務局:特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパン
共催:株式会社日本政策投資銀行、一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)
特別協賛:株式会社三井住友銀行
協力:Asian Venture Philanthropy Network
助成:国際交流基金日米センター
(本事業は、国際交流基金日米センターによる助成対象事業である「社会的投資と成果連動型契約(ソーシャル・インパクト・ボンド)についての日米交流プログラム」の一環として実施しています。)
【お問い合わせ全般】
特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパン 松田 info@socialvaluejp.org
【各社連絡先】
株式会社日本政策投資銀行 ソーシャル・インパクト・ボンド担当窓口 grp_sibdb@dbj.jp
一般財団法人社会変革推進財団 戸田 満 info@siif.or.jp
株式会社三井住友銀行 広報部 辻 Tsuji_Shohei@dn.smbc.co.jp
Asian Venture Philanthropy Network 日本事務局 japan@avpn.asia
特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパン
代表者:代表理事 伊藤 健
2012年に設立された社会的インパクトに特化した非営利のコンサルティングファーム。世界45カ国に加盟団体を持つソーシャル・バリュー・インターナショナルの日本で唯一の加盟組織として、社会的インパクト評価に関するコンサルティング・トレーニング・手法についての研究開発等を中心に活動しています。
ソーシャルバリュージャパンは設立当初から、社会的インパクト評価の政策的導入事例としてのSIB導入に対する取り組みを進めてまいりました。2017年からは厚生労働省によるSIB組成事業に採択され、大阪府池田市におけるフリースクール事業の成果連動型契約についての事業設計を実施しています。また、代表理事の伊藤健は慶應義塾大学での研究活動の中で、2015年に経済産業省が実施した成果連動型契約の研究会で委員会の主査を務め、また高齢者介護領域での成果連動型契約事業を公文教育研究会と複数の自治体で実施した経験を有します。
株式会社日本政策投資銀行
代表者:代表取締役社長 渡辺 一
中期経営計画のなかで地域の自立・活性化や地域特性を踏まえた課題解決をかかげており、「リスクマネーの供給」、「ナレッジの提供と応用」の両面から地域課題解決を支援しています。また「サステナビリティ基本方針」を制定し、地域社会とのパートナーシップを重視し、自治体や他の金融機関等とも連携した事業活動を通じて、地域の自立的発展に貢献してまいります。
これら地域活性化に資する取り組みの一環として、国や自治体が抱える社会課題解決の新たな官民連携手法であるPFS及びSIBについて、2017年から調査・研究を開始し、2019年4月にはSIBを検討する部署横断チームが発足しました。国内外の事例調査を継続しつつ、2019年11月に、英Bridges Fund Management Limitedが組成するSIBを対象としたファンドに対する出資契約を締結しました。海外のSIBファンドへの資金提供は、本邦金融機関では初の試みです。また、2021年には株式会社公文教育研究会を代表事業者とする事業体が法務省より受託したSIBによる再犯防止分野での学習支援事業に対し、資金提供を実施しました。本件は、本邦初の国直轄でのSIBであり、再犯防止分野におけるSIBとしても国内初の取り組みとなります。
一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)
代表者:理事長 大野 修一
社会課題解決と多様な価値創造が⾃律的・持続的に起こる社会を⽬指し、⾃助・公助・共助の枠組みを超えた社会的・経済的資源循環のエコシステムの実現を⽬指しています。ソーシャル・インパクト・ボンドをはじめとするインパクト投資のモデル開発や実践、普及のための環境整備、調査研究・政策提⾔に取り組んでいます。
SIIF は⽇本財団から助成を受けこれらの活動を⾏っています。
http://siif.or.jp/strategy/sib/
株式会社三井住友銀行
代表者:頭取CEO 髙島 誠
三井住友銀行が属するSMBCグループは、持続可能な社会を目指す上での基本姿勢である「SMBCグループ サステナビリティ宣言」や、2030年迄の計画である「SMBC Group GREEN×GLOBE 2030」を公表しており、環境・社会課題を金融面からサポートすることを目指しています。ソーシャル・インパクトの分野についても、グループの総合力を活かした先駆的な取り組みを行っています。
国内では、2017年に神戸市が実施する「糖尿病性腎症等重症化予防プログラム」に於いて日本初となる本格的なソーシャル・インパクト・ボンドに対してファイナンスを実施し、2019年には豊中市が実施する「とよなか卒煙プロジェクト」についてもソーシャル・インパクト・ボンドに対してファイナンスを実施しました。また、2021年には法務省が委託する「再犯防止分野における学習支援」に於いて、国が主体となってソーシャル・インパクト・ボンドを活用する初めての事業へのファイナンスを実施しました。
加えて、海外では親会社の株式会社三井住友フィナンシャルグループが、インパクト投資に特化した英国の資産運用会社であるAIM社との資本業務提携を実施しています。
Asian Venture Philanthropy Network(AVPN)
代表者:CEO Naina Subberwal Batra
AVPNは2012年にシンガポールで設立された非営利組織であり、アジアにおける戦略的フィランソロピーと社会的投資の推進による社会課題の加速度的解決を目指しています。現在40か国以上から500以上の財団、企業、非営利組織、大学等が加盟しており、シンガポールの本部のほかにインド・香港に現地法人とオフィスを構えています。本事業では、本事業の進捗や成果について、グローバルなフィランソロピーや社会的投資のコミュニティへの発信に協力します。