「再生型の観光」を指し、サステナブル・ツーリズムの発展形として定義されます。サステナブル・ツーリズムが旅行先の地域文化と環境の保全を第一に考えた「持続可能な観光」を意味するのに対し、リジェネラティブ・ツーリズムは、その名のとおり地域の文化的・経済的・社会的なリジェネレーション(再生)を意図したものであり、ツーリズムの発展が地域の再生に資する観光のあり方を目指しています。
事業概要:本事業は、日本、タイ、マレーシアの各地においてサステナブル・ツーリズムを実践する3カ国の非営利組織と中間支援組織が相互に協力した研究交流事業を行います。まだ発展途上である「リジェネラティブ・ツーリズム」実践における課題に対する解決策を模索し、アジアにおける「リジェラティブ・ツーリズム」のモデル開発と地域ネットワークの構築に取り組みます。2025年度には、日本とマレーシア、2026年度にはタイでワークショップを実施し、リジェネラティブ・ツーリズム取り組みの実践事例の共有と課題と潜在可能性の抽出を行います。
上記の取り組みを通じて、観光産業の発展を通じたアジアの人的交流の促進による地域間の信頼構築及び、持続可能な地域の発展の一助となることを目指します。
事業期間:2025年4月1日 ~ 2027年3月31日
事業実施国:日本、タイ、マレーシア
主催:特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパン
パートナー団体:
一般社団法人リリース(日本)
2012年5月に設立されたRELEASE;は、「未来が歓迎する経済をつくる」ためにビジネスとクリエイティブをはじめとした多様な専門家が集まり、共創する非営利型ビジネスプロデュースプロジェクトです。自然や文化など社会の分母となる資本を減らすことなく、それらを耕し育み続けるビジネスを将来世代に手渡すため、こうしたモデルを「Community Based Economy 地球と呼応する経済活動」として提唱し、11名の役員や36名のメンバーが、京都を中心に活動しています。本事業においては、日本におけるワークショップの設計と実施を担当すると同時に、参加国と協力してガイドライン、トレーニング教材の開発を行います。
ChangeFusion(タイ)
2009年に設立されたタイの社会起業家支援組織です。社会的課題をビジネスで解決する社会起業家を育成することを目的とし、資金調達、ネットワーク構築、技術支援を提供しています。設立以来、環境保護、教育、貧困削減など多岐にわたる分野で起業家を支援してきました。特に、地域社会に根差した持続可能なビジネスモデルの構築に力を入れ、社会と経済に貢献する革新的なプロジェクトを推進しています。本事業においては、タイにおけるワークショップの企画運営を、Local Alikeと協力して実施します。
Local Alike(タイ)
2013年に設立されたLocal Alikeは、タイ国内のコミュニティベースの観光を推進する社会的企業です。設立当初から地域住民と協力し、文化保護と経済活性化を両立する持続可能な観光プログラムの開発を進めています。観光客には現地の文化や自然環境を深く体験できるツアーを提供する一方で、収益の一部を地域コミュニティに還元する仕組みを導入しています。本事業においては、タイにおけるワークショップの企画運営を、ChangeFusionと協力して実施します。
Borneo Laboratory(マレーシア)
2015年に設立されたクリエイティブプラットフォームです。ボルネオ島の建築、デザイン、アート分野において地域資源を活用しながら持続可能な発展を目指しています。設立以来、地域の職人やアーティストと連携し、独自の文化や自然環境を反映したプロジェクトを多数展開しています。本事業においては、マレーシアにおけるワークショップの設計と実施のほか、プログラム全体の管理進行をソーシャルバリュージャパンとともに担当します。