事業実績ご紹介:2024年度未来の教室実証事業「教育事業における社会的インパクト評価モデル構築」に関する成果報告書公開 - Social Value Japan|ソーシャル・バリュー・ジャパン

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2025.5.1
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事業実績ご紹介:2024年度未来の教室実証事業「教育事業における社会的インパクト評価モデル構築」に関する成果報告書公開
経済産業省では、学び手自身が自らの学びを設計していく未来の学び(「未来の教室」)を実現するため、2018年度より各種事業に取り組んでいます。この度、2024年度「未来の教室」実証事業に採択され、特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパンが参画した「教育事業における社会的インパクト評価モデル構築」に関する実証事業(実施主体:教育の社会的インパクト評価コンソーシアム)について、成果報告書が公開されました。教育事業における社会的インパクト・マネジメントの実装を通じた社会的インパクトの継続的向上を目的としたモデル事業です。ぜひご覧いただければ幸いです。  

実施概要

【実証テーマ】教育事業における社会的インパクト評価モデル構築

実証の背景:教育事業における社会的インパクト・マネジメントの実装を通じた社会的インパクトの継続的向上

 

【実施体制】

下記4団体から構成される「教育の社会的インパクト評価コンソーシアム」が実施主体となった。

 

・一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI)

・株式会社Stem for Leaves

・認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会(JFRA)

・特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパン

 

【実証フィールド】

名古屋市教育委員会、京都府立清明高等学校を対象に、「教育分野における社会的インパクト評価とその活用の在り方」を検証した。 ​

 

名古屋市教育委員会

<テーマ>NAGOYA School Innovation事業における社会的インパクト評価

 

<背景>行政の立場として、ステークホルダーへの事業成果の説明が求められている

 

<目的>(社会的インパクト評価に取組む意義・期待)

  • ナゴヤ学びのコンパスに示されている「実現したい子どもの姿」につなげるため、名古屋市全体で「どこまで進んでいるのか」を明らかにすること
  • 各学校においては、それぞれの取組みによってどのような変化がもたらされているのかを現在実施している事業が生み出す成果を明らかにし、事業の改善に役立てること

 

<対象事業> NAGOYA School Innovation事業及びそれに基づくナゴヤ学びのコンパス

 

<内容>

① 教育分野における社会的インパクト評価の実践に必要な工夫の把握

・ナゴヤ学びのコンパスのロジックモデルで設定したアウトカムの測定手法に関する先行研究調査

・他自治体における事例調査

② 教育分野における社会的インパクト評価モデルの検討

・ナゴヤ学びのコンパスに関するロジックモデル案

・評価指標案

③ 構築した社会的インパクト評価モデルの活用の在り方の検討

・来年度に学校を巻き込んで実践する際のアプローチの検討

 

<実証の成果>

・ナゴヤ学びのコンパス全体のロジックモデル案と事業ごとの個別ロジックモデル案を作成

・個別ロジックモデル案については、学校現場への負担を増やさないようにするため、既存調査等の質問項目を活用して評価指標案を検討

 

京都府立清明高等学校

<テーマ>ICTを活用した学習の個別最適化が学習者の自己調整能力に与える影響の評価手法の開発

 

<背景>

  • 清明高校では、多様な背景を持つ生徒の学びの環境を確保するために、ICT活用を含めた教育環境の整備を推進している。
  • そのような背景のなか、学校における教育の成果を評価するにあたり、学力や出席日数といった従来の評価指標ではなく、清明高校が目指すビジョンや価値観に基づいた評価軸の設定、評価に基づいた学校教育の成果の向上が期待されている。

 

<目的>(社会的インパクト評価に取組む意義・期待)

  • 多様な背景を持つ生徒に対する効果的な教育実践のために、ICTを活用した自己調整学習(SelfRegulated Learning)に着目し、清明高校が実践する個別化された最適な学びの成立要因と学習プロセスのマネジメントの検証を行い、その環境条件や評価の枠組み、評価指標を整備する事。

 

<対象事業> 清明高校におけるICT活用を含む教育活動

 

<内容>

① 教育分野における社会的インパクト評価の実践に必要な工夫の把握

  • 自己調整学習を軸とした先行研究調査
  • 実践に向けたフィールド調査(ヒアリング結果)

② 教育分野における社会的インパクト評価モデルの検討

  • ICTを活用した自己調整学習のフィールド調査(ヒアリング結果)
  • 清明高校におけるロジックモデル案
  • 清明高校における評価指標案
  • 清明高校における調査票案

③ 構築した社会的インパクト評価モデルの活用の在り方の検討

  • 実際の教育現場での導入に関するフィールド調査(ヒアリング結果)

 

<実証の成果>

・清明高校が実践する個別化された最適な学びのための環境条件や評価に活用できるロジックモデルと評価指標を整備​

・本事業の成果は、ロジックモデルや評価指標そのものではなく、評価の意義や活用方法、それに基づいた評価要件の定義や評価設計、関係者間での合意形成のプロセスを示したことにあり、これらは他府県の同様な目標を共有する単位制高校等にも参考になると思われる

 

報告書

上記のプロジェクトについて、下記より詳細な報告書をご覧いただけます。

報告書はこちら

 

未来の教室プロジェクト

教育事業における社会的インパクト評価モデル構築」に関する実証事業

「教育事業における社会的インパクト評価モデル構築」に関する実証事業 | 未来の教室 ~learning innovation~