近年、SDGsやESG投資への関心が高まるにつれて、その効果を測定するための新しいツールが次々に現れていますが、こうしたツールの利用は企業にとって非常に大きな負担になります。そしてその評価の方法において、寄与度(インプット/アウトプット)だけでなく、実際にどのようなインパクトをもたらすことができたのかについても報告の必要があるとなると一層難易度が上がります。
ここで、非営利組織における実践が参考になります。英国では、非営利事業において、事業による成果(アウトカム)までを報告することが強く推奨されていることなどから、会計報告と社会インパクト報告が1つになった統合報告は今や一般的になりつつあります。この方法において、非営利組織がそのインパクト報告で実践してきたやり方をビジネスに適用し、同様なフォーマットを利用することもできるはずです。ただし、こうしたやり方を実現するためには、企業のサステナビリティにおいて監査報告が義務づけているように、社会的インパクトについての報告にも監査が求めらえるべきでしょう。こうしたレポーティングは企業のためではなく投資者と受益者のためのものであり、ビジネスと社会的インパクトの双方の効果を高めることに繋がります。
非営利事業においては組織の目的達成のため、企業においては社会からの要請を満足させる報告を行うため、こうしたレポーティングの方法を選択することになるかもしれません。それによって、ポジティブ・ネガティブなインパクトのマネジメントに関する報告を実現する一歩になることでしょう。
※原文(英語)はこちらのPioneers Postのホームページよりご確認下さい。
ジェレミー・ニコルズは、Social Value Internationalの創設者の一人であり、Capitals Coalitionのアンバサダーを務めています。